著作権法周りのメモ2:怒れるアップル

070605

「日本の著作権者団体は非を認め傲慢不遜な主張を即時停止すべきである。著作権者団体の自己中心性こそが日本のコンテンツ流通を阻害し消費者の選択肢を狭小化させ、IT 業界の生産性を棄損している主要因である。」

アップルは「知的財産推進計画2007」の対する「同2006の見直しに関する意見募集の結果・団体からの意見」(PDF、11ページ目)のなかでそう述べています。

いやー。いってくれますね。
いくらかスッキリします。
まったく持ってその通り。
日本の行政の著作権法の運用の仕方はあまりにもひどいものです。
消費者やIT、文化の発展をまったく考えていません。

特にすでに実行されている私的録音録画補償金制度のひどさは折紙付です。
しかもこの制度では生産者側から見ても勝手にメディアを協会が管理する音楽を録音するものと決め付けた上に音楽業界にしか利益が行かない非常に偏った政策なのです。

しかも、消費者の直接的な反発を避けるためにメーカーがメディアを製造した時点で徴収しているのです。

また、二重徴収ではないかという質問に対しJASRACはFAQでこう答えています。

質問
自分で買ったCDからiPod等に曲を入れるだけのユーザーもいるのに、補償金の対象にしようとするのはおかしいのではありませんか?

回答
私的使用目的の複製が自由とされている(著作権法30条1項)のは、立法当時の状況として、個人レベルの複製が零細なものであり、著作権の行使対象とするほどの実態がなかったからです。しかし、その後の技術の発達、特にデジタル技術の普及によって、個人レベルの複製は量の面でも質の面でも立法当時の想定を超えるようになったため、私的録音・録画を法定の範囲内で自由とすることの代償として、補償金制度が導入されました。
つまり、本来であれば、複製物が一つ作られるたびに著作権者は権利を行使して使用料を得られるはずのところ、その権利を制限して使用料を得ることができないようにしていることの代償が補償金なのです。
複製物を作るための使用料が支払われることなく複製が行われるという意味では、iPod等に保存される音楽の音源が自分で買ったCDでも、レンタルしたCDでも、ダウンロード購入したファイルでも変わるところはありません。

僕にはJASRACの意見は非常に自己中心的で傲慢な意見のように思われます。
「個人レベルの複製は量の面でも質の面でも立法当時の想定を超えるようになったため、私的録音・録画を法定の範囲内で自由とすることの代償として、補償金制度が導入されました。」
代償ですか。
代償ねぇ。
だれに対する代償なんでしょうね。
というか法律の変更に代償って要るんですか?

補償金制度はすでにCD-Rなどに適応されていますが
今回はソレがHDDにも適応されようとしているのです。
というかもともと私的録音と録画って個人の自由だったんじゃないですか?
一体だれの何に対する料金なんでしょうね。

さて、アップルの発言の詳しい内容については元記事である
アップル激怒、文化庁には著作権行政の資格無し(EngadgetJapanese)へどうぞ。
ってかアップル締め出されてたのか!?
ひど!

追記:
以下のページでも議論されています
私的録音録画小委員会第4回会合、議論は平行線をたどる(SlashDotJapan)
アップルが「文化庁は著作権行政から手を引け」と主張(林檎の歌)

以下のページにも記載されています
アップル、文化庁を激しく非難–「私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべき」(CNET Japan)
アップルが文化庁批判「私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべき」(Impress Watch)

某ちゃんねるの反応
Appleが日本の著作権行政に激怒!(痛いニュース(ノ∀`))